再生紙とは?メリット・デメリットや製造の流れを詳しく解説

再生紙は使用済みの紙をリサイクルした紙製品であり、再生紙を使用することは環境に優しい選択肢です。森林資源の保護や廃棄物削減に貢献し、持続可能な社会を目指す取り組みとして注目されています。
しかし、再生紙には品質や耐久性にばらつきがあるため、用途に応じて適切に選ぶことが大切です。
この記事では、再生紙の定義や特徴、製造の流れを詳しく解説します。再生紙に関する理解を深め、エコな企業活動や日常生活に役立ててください。
目次
リサイクルされた再生紙とは?

再生紙とは、使い終えた紙を回収し、加工を施して再び紙製品として利用できるようにしたものです。新聞紙や雑誌などの古紙を材料とし、再生工程を経て新たな紙へと生まれ変わります。

多くの再生紙に見られる「Rマーク」はリサイクル製品であることを示すものです。「Rマーク」には再生紙に含まれる古紙パルプの割合が明記されており、再生紙の品質や環境への配慮を確認する指標となっています。
再生紙の種類
再生紙の主な原料として新聞紙や段ボール、雑誌があり、これらが古紙消費量の大部分を占めています。さらに、製本所や印刷工場から出る紙も再利用されており、インキの付いていない「上白・カード」「特白・中白」などの上質紙・中質紙や、インキ付きの「模造・色上」「切付・中更反古」などの品種があります。
また、木材以外の素材を原料とした紙の開発も進んでおり、「エコ用紙」や「エコペーパー」などと呼ばれています。代表的なものは、以下の3種類です。
・非木材紙:竹やサトウキビの繊維を活用したもの
・シリアルペーパー:穀物の廃棄部分を原料としたもの
・間伐材紙:森林保全のために伐採された木材を再利用して作られたもの
これらの再生紙は、次に紹介するように多様な用途で活用されています。
再生紙の使用用途

再生紙は日常生活の中で新聞紙や段ボール、トイレットペーパーなどに活用されており、近年では書籍や文具、販促品にも広がりを見せています。特に企業のSDGs活動の一環として、再生紙を使用した名刺やコピー用紙の採用が進んでいます。
たとえば、ノベルティキングが販売する「ボタニカルリサイクルA5ノート」は、再生紙を70%使用し、環境に配慮した製品の一例です。再生紙を活用したノートをお探しの方は、ぜひ「ボタニカルリサイクルA5ノート」もご確認ください。
再生紙を使用するメリット
再生紙は環境に優しく、森林資源の保護や廃棄物削減に貢献します。次に紹介するメリットを参考にし、目的に合わせて効果的に活用しましょう。
森林資源の有効利用と環境保護
再生紙の活用は、貴重な森林資源を守る有効な手段です。紙の製造には木材が必要ですが、使用済みの紙を再利用することで過剰な伐採を防ぎ、森林の持続可能な利用に貢献できます。
また、森林の減少は地球温暖化の一因とされており、紙のリサイクルによってCO₂吸収源である森林を保護することが期待できます。さらに、多くの動植物が生息する森林の破壊を防ぐことで、生態系の保全にもつながります。
廃棄物の減量化
私たちの暮らしやオフィスでは大量の紙ゴミが発生しますが、適切にリサイクルすることで焼却や埋め立てを減らし、環境への負担を軽減できます。また、再生紙を活用することで、資源の無駄を防ぎながらゴミの発生を抑えられるのも大きな利点です。
さらに、紙のリサイクルはゴミ処理にかかるコスト削減にもつながり、経済的なメリットも期待できます。
再生紙を使用するデメリット
再生紙は環境に優しい選択ですが、品質や耐久性にばらつきが生じる場合もあります。使用用途に応じて、次のデメリットも踏まえたうえで選びましょう。
品質のばらつき
再生紙の品質は、原料となる古紙の種類や状態に大きく左右されるため、非再生紙と比べて均一性に欠ける場合があります。たとえば、古紙に含まれるインクや加工の種類によって紙の色に微妙な違いが出たり、手触りにざらつきを感じたりするかもしれません。
表面の滑らかさが一定でない場合、印刷時にインクの乗りが悪くなってしまう可能性があります。細かいデザインや高精細な印刷には適さないことがあるため、再生紙を使用する際は用途に応じた品質の確認が必要です。
耐久性の低さ
再生紙は、繊維を何度も再利用することで強度が低下しやすいといった特性があります。リサイクルの過程で繊維が短くなり、破れやすくなったり摩擦に弱くなったりするためです。特に、長期間の保存や頻繁な使用を想定した用途には適さない場合があります。
また、一部の再生紙は湿気に弱く、吸湿すると変形や劣化が進みやすい点もデメリットの一つです。そのため、用途に応じて耐久性の高い紙と適切に使い分けることが大切です。
再生紙が製造される流れ
再生紙は、主に次の工程を経て作られます。

■ 回収
家庭やオフィス、工場などで不要になった紙を回収します。ただし、食品の包装紙や臭いのついた紙など、リサイクルできないもの(禁忌品)は除外されます。
■ 分別
回収された紙は種類ごとに分けられ、ホチキスの針やフィルムなどの異物を取り除きます。この作業が丁寧に行われることで質の高い再生紙が作られます。
■ 製造
分別された紙は、温水と薬品を使ってパルパー(大型ミキサー)でどろどろに溶かします。その後、スクリーンや洗剤の泡を利用してインクや塗料、細かいゴミを取り除き、必要に応じて漂白を行います。きれいな水で洗い、余分な水分を取り除いた繊維が古紙パルプとよばれるものです。
■ 加工
一本一本の繊維になった紙の原料は、抄紙機(紙すき機)の上で水分を取り除きながらシート状に成形されます。その後、大きなロール状に巻き取られたり、用途に応じて適切なサイズに裁断されたりして製品として仕上げられます。
まとめ
再生紙は森林資源の保護や廃棄物削減に寄与する環境に優しい選択肢です。新聞紙やトイレットペーパー、オフィス用品など、さまざまな用途で活用され、SDGsの観点からも企業や個人に推奨されています。ただし、品質や耐久性のばらつきがあるため、用途に応じた適切な選択が重要です。
ノベルティキングでは、再生紙を使用したノートやその他のエコグッズを豊富に取り揃えています。持続可能な社会に貢献できる商品をお探しの方は、ぜひ一度ご覧ください。